可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

「ルシア……大丈夫だった?」

 甘い声で呼びかけられ、ルシアは顔を上げた。

 すると間近に、心底心配そうなカイルの顔がある。

(……! なに、これ!! 心臓に悪いわ!! お父様に抱かれているのとまったく違う!)

 きらきらしいカイルの姿にルシアの心臓はバクンと跳ねた。

「あ、はい、大丈夫です!!」

 ルシアはギュッと目を瞑って、慌てて胸を押し返した。

 彼女は婚約者こそいたが、恋愛にはからっきし耐性がない。毎日忙しく、恋愛小説など読んだこともなければ、恋バナをする友達もいなかった。

 レモラとは名ばかりの婚約で、恋愛らしいことはなにもなかったからだ。
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