可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「お父様こそなんで……。魔導具探し中に行方不明になったって聞いていたのに、ジューレ侯爵領でお仕事だったんですか?」
それにしたら、荒れた格好である。
「いいや。たしかに魔導具探し中に迷子になったんだ。で、なんとか、ここまでひとりで帰ってきたんだが、鉱山の様子がおかしいじゃないか。不思議に思って、中に入ってみたんだ。そうしたら、カーバンクルたちに拉致されてしまってね。それが一年ほど前のことだ」
そう言って、ファクト子爵は視線を坑道の先へ向けた。
その先には、粗末な部屋があった。小さなソファーに小さな机が置かれている。
そこに1mほどの身長の女性が立っていた。縮れた赤い髪をひとつにまとめている。動きやすそうな作業着姿だが、威厳がある。
一見して、ドワーフの姫だとわかった。
ドワーフの姫は、ルシアを見て一瞬眉を顰めたが、カイルを見てハッとする。
「カイル! なぜ、こんなところに」
ルシアは驚きカイルを見る。
「カイル、知り合いなの?」