可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
すると、ルシアの手は壁をとおり抜けた。
「っ! これは、どういうことだ?」
ファクト子爵は驚いた。
ルシアは顔面蒼白になり、震える声でドワーフの姫に謝った。
「ごめんなさい。これ、私が作った魔導具です。バーチャルウォールと言って、魔力で仮想の障壁を作り出すものです」
周囲にどよめきが起こる。
この魔導具は一年半年ほど前にルシアが発明した物だった。そのため、行方不明になっていた父は知らなかったのだ。
バーチャルウォールは、いたずら好きの妖精たちを宝物庫に入れないようにするためのものだ。妖精はただの鍵では開けてしまうので、妖精たちにしか効果がない魔力の膜を張り、入れないようする魔導具だ。
この魔法の膜は銀を反射する。そのため、銀の額縁の中は魔法の膜が張らないのだ。
「人間以外は入れないように作った物なのに、閉じ込めるために使うなんて……」
自分の技術が悪用されたことを知り、ルシアはあまりのことに震えていた。