可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
カイルは無言でルシアの肩を抱いた。
「まさか、こんなふうに使われるなんて……。私、そんなつもりじゃなくて。ごめんなさい! すぐに解除します!!」
自分が発明した魔導具が悪用されていることを知り、ルシアは心臓が凍りつく思いだ。みんなが幸せになればいい、そう思って魔導具を作ってきた。それなのに、使い方によっては誰かを苦しめる。
ルシアは透明の壁の内側に飛びこんだ。
そして、魔導具の本体を探す。壁の中に埋め込まれた魔導具を見つけ、とりあえず、解除用の初期パスワードを入力してみる。
「まさか、そのままってわけはないと思うけど……。っ嘘! 初期パスワードのままだわ! 取説にもしっかり書いておいたのに……」
ルシアは頭痛を感じた。
誰にでも使いやすいようにと、わかりやすい丁寧な取り扱い説明書もつけたのに、無視されたのか、読まれていないのか、初期設定のまま設置されていたのだ。