君が忘れてから僕は征きたい
プロローグ
┄ プロローグ ┄

新月の日に君は僕に言った。

『 私にとって、大切な人はとても優しくて、笑顔で泣いている私をそっと包み込んでくれる人だったの、貴方の様な …』

『でも …』

『思い出せないの… 涙が出るほど…
大切な人なのに… 』

『"その人”が思い出せないの…』

泣きながら言う君を見て、僕は思うよ。
あぁ、何故だろう。
君は僕を忘れたのに"その人”をまだ忘れてない。

ただただ、僕は泣く君を僕ではなく、”その人"になって、抱きしめることしか出来なかった。

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