先輩!
「玲央泣いてんの?」


暗闇の中、突然声をかけられぎょっとした。

振り返ると、生徒が立っていた。


スマホのライトを顎の下から照らし、顔が暗闇に浮かび上がっていて、あまりの不気味さに後退りしてしまった。

とっさに涙を拭う。あークソ、泣いてるところ見られたか?


黄色寄りの茶色い髪色。着崩した学ラン。まだまだ成長期はこれからといった、子どもっぽい高い声。顔もあどけない。

中学2年生の守屋。俺のクラスの問題児のひとりで、窓ガラス破壊の主犯格だ。


「いつからいた?」

「玲央が来る前」

「名前で呼ぶなよ、先生だろ。ここの鍵どうした?」

「だれかの閉め忘れじゃね?そんなことよりレオー。ガチでどしたん。俺が慰めよっか?」


問題児だけれど、守屋はかわいい。
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