先輩!
それと。

目が合うと、にこりと微笑み「お疲れ様です」と必ず声を掛けてきたからだ。

もちろんその対象は俺だけじゃない。みんなに対してだ。


そんな新人、佐々木だけだった。

ほかは良くて会釈。最悪なのは、目をそらすやつらと、俺を見て色めき立つやつら。


「野口に久保のOJTを任せているけど、そこに佐々木さんを加えたらどうだろう。男性とマンツーマンよりいいだろう」

うんうんと課長と野口さんが頷くので部長が続ける。


「久保のOJTはもう十分だろうから、時期を見て野口が外れて、久保が佐々木さんのOTJ担当をしてはどうだろう」

「部長、久保はまずいでしょう。手を出してぽい捨てして辞められる可能性が」

「社内の女性には絶対手を出しませんって。なんすか野口さん」

「そうだな。考え直すか」

「部長まで!」


笑い声が響く中、部長が真面目な顔になったので、ぴり、と場が締まる。
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