先輩!
先輩の唇が、ほんの少しだけ触れた。目が合って、照れくさそうに笑って、もう一度。

今度はしっかりと重なり、角度を変え、何度も繰り返す。不意に舌先が唇をなぞり、「開けて」と合図が送られてきた。

わたしは先輩に身を委ね、言われるがまま従順に応じる。

とっくにキャパ超えてるんだけど、先輩に求められてうれしくて。夢中で、必死に、先輩に想いを伝える。


ちゅ、とかわいいキスを最後に突然それは終わり、先輩と見つめ合う。

先輩のその瞳は熱が帯びている。きっと、わたしも。


「今日は手を出す気なかったんだ。キスくらいはしたかったけど」

「でも先輩、コンビニであれ買ってました」

「一応って言っただろ?」

「確かに」

「大事にしたい子にはなかなか手を出さないって都市伝説?俺、芽衣を抱きたくて仕方ない。芽衣が欲しい」

「せんぱい…」

「でも芽衣がまだ早いと思うなら我慢する。ここでやめる」

「先輩…」

「やっぱりやめよ。芽衣のことめちゃくちゃ大事だし。ちょっとシャワーしてくる。冷水で頭と体冷やすわ」


わたしに回された腕が離れた。立ち上がろうとする先輩を、とっさに引き止めた。


「やめないでください」
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