先輩!
「先輩、」

胸をタップして合図を送る。


「なに」

ぶっきらぼうな返事。もうすっかり熱に侵された表情の先輩。目の前の男の人に胸が跳ねる。

右手の指何本かで先輩の唇を押さえ、喋りながら呼吸も整えさせてもらう。


「わたし今日、こんなことになるなんて全然考えてなくて。だからせっかくかわいい下着買ったんですけど、あいにく今日はそれじゃなくて。あ、でも新調した中の一つで、」

「うん黙ろうか」


先輩の唇に添えていた指は、わたしのよりはるかに長い指に捕らえられ。

整った綺麗な顔が、明々とした照明の下、再び距離をゼロにした。
< 84 / 371 >

この作品をシェア

pagetop