compact
その右耳のそばから
龍くんの静かな声がした。

「今、押し倒したら、声出す?」
「…出さないけど…。」

またぎゅっと
力強く抱きしめられた。

「こんなつもりじゃなかった…?」
右耳も熱くなる。

「私は…、もう…、
そんなコドモじゃないよ…。」
と、なるべく優しい言葉で言って
タブレットをカバンに戻して…
龍くんの顔をみた。

私は、髪を留めていた
バナナクリップを取って髪をほどいた。

「…押し倒す?」
と笑って聞いたら、
…押し倒された。

大切なものを扱うみたいに。
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