あの頃のきみに栞を。今のきみに僕を。〜夢はきみと結婚すること〜
「どちら様、、ですか?」
相手は少し驚いた顔をしてそうかそうか、と言って近づいてくる。
そして私の前まで来て止まる。
「ごめんね、急に言われても分かんないよね」
男性は、どこか寂しそうな顔をして話し始める。
「僕、麗水誠(れいすい まこと)。小学校に上がる前までこの辺に住んでて、よくきみと遊んでたんだけど、、覚えてないかな?」
そこで私はハッとした。
あの頃の、小さい頃の記憶がフラッシュバックしてきた。
誠くんとは保育園の頃ずっと一緒に遊んでいた。
私の親は両親とも共働きでいつも帰りが遅かったのでよく延長保育で最後まで残っていた。
その時に同じマンションで家が近くて、親同士も仲良かった誠くんのうちでよく預かってくれていた。