あの頃のきみに栞を。今のきみに僕を。〜夢はきみと結婚すること〜

でも、小学校に上がる前に誠くんのお父さんの仕事の関係で引っ越すことになった。


誠くんは最後まで泣いて嫌だ嫌だと反対していた。


引越し当日も泣いて大変だったのを思い出した。

結局私が宥めてなんとか車に乗せることができた。


なんて言って宥めたまでは覚えていないが。


そんな私が知っている誠くんと今目の前にいる誠くんと名乗る人物とでは似ても似つかない。


あのオドオド、ビクビクしていた誠くんが、私の後をずっと追っていた誠くんが、今は堂々と自信に溢れた眼差しでこちらをみている。


こんなに人は変わるのか。

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