愛なき政略結婚は愛のはじまりでした
室内には一人で使うには大きすぎるベッドがドンと鎮座している。その他にも立派なデスクやドレッサー、一人用のソファーなんかも置かれている。これらの家具はすべて事前に用意されていたものだ。初めてここを訪れたときにはすでに配置されていた。清隆からは気に入らなければ好きに変えていいと言われているが、雅にそんな大それたことができるはずもない。与えられたものをただそのまま使うだけである。
雅はソファーに軽く腰掛けると小さく息を吐き出した。それは安堵から来るものであった。
もしかしたら今日それがあるのかもしれないとずっと緊張していた。あの恐ろしいと感じる男に、この身を捧げなければならないと恐怖していたのだ。
清隆はそれについて一度も触れなかったが、妻になった以上はそれが最大の役目だとわかっている。何しろ父からも義母からも早く跡継ぎを産めと釘を刺されているのだ。清隆が言う社交も妻の役割の一つではあるのだろうが、圧倒的に強く求められているのは清隆との間に男児をもうけることであろう。だから、その行為が必要であるとわかってはいるが、実際にそれが自分に訪れるのだと思うと雅はどうしても恐怖心を消せなかった。
今日はそれがないとわかって安心できたが、清隆の言う通り今日はただ疲れていたという理由でそれに及ばなかっただけであろう。永遠にそれから逃れられたわけではなくて、ただ先延ばしになっただけだ。そう考えると雅は消えた恐怖心が蘇りそうになり、もう一度口から息を吐き出して、現れそうになっていた恐怖心を追い出した。
雅はソファーに軽く腰掛けると小さく息を吐き出した。それは安堵から来るものであった。
もしかしたら今日それがあるのかもしれないとずっと緊張していた。あの恐ろしいと感じる男に、この身を捧げなければならないと恐怖していたのだ。
清隆はそれについて一度も触れなかったが、妻になった以上はそれが最大の役目だとわかっている。何しろ父からも義母からも早く跡継ぎを産めと釘を刺されているのだ。清隆が言う社交も妻の役割の一つではあるのだろうが、圧倒的に強く求められているのは清隆との間に男児をもうけることであろう。だから、その行為が必要であるとわかってはいるが、実際にそれが自分に訪れるのだと思うと雅はどうしても恐怖心を消せなかった。
今日はそれがないとわかって安心できたが、清隆の言う通り今日はただ疲れていたという理由でそれに及ばなかっただけであろう。永遠にそれから逃れられたわけではなくて、ただ先延ばしになっただけだ。そう考えると雅は消えた恐怖心が蘇りそうになり、もう一度口から息を吐き出して、現れそうになっていた恐怖心を追い出した。