一夜を共にしたかつての片思い相手は、優秀外科医だった。〜憧れの君と私の夢〜
「父さんは春からここで働くんだよね」
「うん。だから外観だけでも見ておきたいなと思って」

 車は病院のすぐ近くまで近づく。白を基調とした巨大な新し目の建物が成哉の目に飛び込んで来る。

「綺麗だね」
「そうねえ。新しそうね」

 そのまま車は成哉の自宅に向かっていったのだった。
 春。成哉は有名進学校と名高い高校に進学した。愛海は家政科のある高校に進学した為、2人はこれ以降ベリが丘の街で再会するまで会わない事になる。
 高校に入学してからも成哉は人気者だった。彼の爽やかで目鼻立ちの整った容姿は勿論、頭脳にも惹かれる女子が小中学校時代と同じように成哉の周囲に常にいた。

「藤堂くんまじイケメン!」
「きゃああ、藤堂くん! こっち見た!」
「まじかっこいい!」

 そんな成哉は入学してすぐ、成哉と同じクラスの女子から告白された。

「藤堂くん。付き合ってください!」

 しかし、成哉はあの時と同じように告白を断った。

「ごめんなさい。今はそういうの考えられなくて……」
「そっか、こっちこそごめん」
(入学してすぐに告白されるなんて……)

 成哉はなぜ、女子が自分に対してここまで好意を抱くのかと共に、いつまで断り続ければ良いのだろうとふと考えるようになった。
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