一夜を共にしたかつての片思い相手は、優秀外科医だった。〜憧れの君と私の夢〜
倉敷愛海の持病はがんだった。長らく入院し手術と抗がん剤治療を受けていた。この黒いロングヘアもウイッグで、本来の髪は抗がん剤治療で全て抜け落ちてしまったのだという。
「だからウイッグつけてるんです。帽子被るのも恥ずかしかったから」
「よく似合ってますよ」
「先生ありがとうございます」
そんなやり取りを見ていた成哉だったがここで予鈴のチャイムが鳴った。
(何か話しかけた方がいいだろうか)
「えっと、あの……」
倉敷愛海が成哉に向けて口を開いた。
「ここまで連れてきてくれてありがとうございます。名前は……」
「藤堂成哉です。2年です。倉敷先輩よろしくお願いします」
「成哉くんだね。覚えたよ」
「ありがとうございます。じゃあ、すみませんが予鈴なったんで次の授業行ってきますね」
「うん、ありがとう成哉くん」
こうして一旦は分かれた倉敷愛海と成哉だった。しかし次の日、たまたま保健室横の廊下を通りかかった成哉は保健室の円卓に倉敷愛海が座っているのを目撃する。そして彼女と目が合ったのだった。
「あっ成哉くん。昨日はありがとうね」
「倉敷先輩……! あれからどうですか?」
成哉は保健室に入室し、彼女の近くまで歩み寄った。昨日は呼吸が乱れ顔面蒼白だった彼女だが、この日は落ち着いているように見えたのでほっと胸の中で息をついたのだった。
「だからウイッグつけてるんです。帽子被るのも恥ずかしかったから」
「よく似合ってますよ」
「先生ありがとうございます」
そんなやり取りを見ていた成哉だったがここで予鈴のチャイムが鳴った。
(何か話しかけた方がいいだろうか)
「えっと、あの……」
倉敷愛海が成哉に向けて口を開いた。
「ここまで連れてきてくれてありがとうございます。名前は……」
「藤堂成哉です。2年です。倉敷先輩よろしくお願いします」
「成哉くんだね。覚えたよ」
「ありがとうございます。じゃあ、すみませんが予鈴なったんで次の授業行ってきますね」
「うん、ありがとう成哉くん」
こうして一旦は分かれた倉敷愛海と成哉だった。しかし次の日、たまたま保健室横の廊下を通りかかった成哉は保健室の円卓に倉敷愛海が座っているのを目撃する。そして彼女と目が合ったのだった。
「あっ成哉くん。昨日はありがとうね」
「倉敷先輩……! あれからどうですか?」
成哉は保健室に入室し、彼女の近くまで歩み寄った。昨日は呼吸が乱れ顔面蒼白だった彼女だが、この日は落ち着いているように見えたのでほっと胸の中で息をついたのだった。