一夜を共にしたかつての片思い相手は、優秀外科医だった。〜憧れの君と私の夢〜
「奥さま。夕食が出来上がりました」

 まことをベッドに寝かしつけ、調理師免許に関する本を読んでいるとお手伝いさんが私を呼びに来た。

「それ、調理師免許の問題集ですか?」
「はい、そうです」

 私にはいつかカフェをオープンさせるという夢がある。いつかは叶えたい夢なのだ。
 
「お店開きたいとか、そういった目標でもおありで?」
「はい。いつかはカフェを開きたいなとは思っています」
「ああ、どおりで奥さまはカフェで働いているのですね」
「それもありますね。カフェ好きなんです」
「私も好きですよ。昔ながらの喫茶店のコーヒーが特に好きでして。そう言えばベリが丘の高級住宅街の中にひっそりとやってる喫茶店もあると聞きましたねえ」
「そうなんですか?」

 それは初耳だ。高級住宅街にあるという事はお高めの喫茶店なのだろうか。

(なんかコーヒーだけで1000円はしてそう)
「どのような喫茶店なんですか?」
「以前ベリが丘の総合病院に勤務されていた医者が転職してオープンさせた喫茶店らしいですよ。アンティーク調と言いますか、昔ながらの感じでしょうかねえ」
「……やっぱお値段高めですか?」
「ごめんなさい、入った事無いから分からないんですが高いとは聞かないですね」
「なるほど、教えてくださりありがとうございます」

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