一夜を共にしたかつての片思い相手は、優秀外科医だった。〜憧れの君と私の夢〜
 お手伝いさんにそうお礼を言った後、彼女が夕食を私の元まで届けようかと願い出たのでお言葉に甘える事にしたのだった。

「では、こちらになります」
「ありがとうございます。美味しそうですね」

 夕食は混布締めサバを焼いたものに白いご飯と卵と玉ねぎの入ったお味噌汁だ。どれも出来たてで湯気が立ち込めており見ただけで美味しそうだと分かる代物に見える。

「骨抜きのサバ買ったので大丈夫かとは思いますけど、骨には気を付けてくださいね」
「骨抜きのサバってあるんですか?」
「ベリが丘のスーパーには骨抜き処理された魚沢山ありますよ。お値段は張りますがやっぱり骨が無い方が食べやすいでしょうし」
(やっぱ値段は張るのか。でも、骨が無い方が圧倒的に食べやすい)
「そうなんですね。今度寄った時に見てみます」
「では、ごゆっくりどうぞ。まことちゃんは私が見ておきますのでお気になさらず」
「お願いします」

 お手伝いさんにベッドでぐっすり寝ているまことの世話を託し、私はさっと夕食を頂くのだった。籍を入れてこの家で暮らすようになってからはよく買い出しに行っていた業務用スーパーに行く事は無くなった。かわりにお手伝いさんがベリが丘のスーパーに買い出しに行ってくれている。
< 60 / 135 >

この作品をシェア

pagetop