一夜を共にしたかつての片思い相手は、優秀外科医だった。〜憧れの君と私の夢〜
 するとお手伝いさんが何かを思い出したかのように天井を見上げると、そうだ。とどこかへと去ったのち再びリビングに戻って来た。
 その手には何やらチラシが握られている。

「奥さまこれです。喫茶店の」
「ああ、これですか」
「あっこれ! 星田先輩のおじいさんとこの喫茶店!」

 成哉がソファから飛び上がってチラシに食いつくようにした。彼と共にチラシを見るとそこにはカフェの内装とメニューの一部が掲載されていた。メニューはコーヒーにオムライスにカレー、ナポリタンと定番なものから焼きそばや焼きうどんと言ったカジュアルなものもある。

「美味しそう」
「店内なんだか不思議な感じだね、成哉さんはどう思う?」

 店内の証明はやや暗めで焦げ茶色の壁と柱、右側の壁には金色の細かな装飾に彩られた楕円形の鏡が設置されており、他にも古びた金色の時計等と言った小道具が写真に映り込んでいた。

「なんか、ラグジュアリーかつアンティークって感じだな」

 成哉の呟きは確かに的を得ていた。古めかしさはアンティークだし、豪華で細やかな装飾がある部分はラグジュアリーと言える。

「今度行ってみない?」
「えっ、いいの?」
「行こうよ。皆でさ」

 彼の提案に私は頷いた。

「うん、行ってみようか」
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