一夜を共にしたかつての片思い相手は、優秀外科医だった。〜憧れの君と私の夢〜
「言われてみれば……あまりネガティブになってないかも」
「そう! それです。私達は常に患者に寄り添い、不安を出来るだけ取り除くのをモットーの1つにしています」
「それに藤堂先生からは出来るだけ時間を共にしてほしいという要望もありましたので」

 そうだったのか。と同時に私の思考を読み取った成哉は流石だなと感心してしまった。

「という訳でネガティブに考えるお時間は極力与えませんから」
「何かあればすぐ呼んでください。看護師さんもいますからね」
「……ありがとう、ございます!」

 私は何度もベッドの上から2人に頭を下げたのだった。確かにネガティブに考える暇は無い。夢が叶う日がすぐそこまで来ているのだ。

「これくらいでは、へこたれられないですよね」
「そうです! その意気ですよ」
「田中さんの言う通りです!」

 へこたれている余裕は無い。リハビリを頑張らなければ。

「でも痛みが現れたり少しでも変だなと感じたらすぐに言ってくださいね。オーバーワークはよろしくないので」
「はい、田中さん」
「失礼します」

 ここで成哉が病室を訪れる。

「愛海、調子は?」
「まあ、ぼちぼちかな。車椅子で移動出来るようになったのは大きいかも」
「そうだね。車椅子乗れるようになったのはすごい頑張ってる証拠だよ」


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