彼に抱かれ愛を弾く 〜ベリが丘恋物語〜
え⁉︎
昭二おじさんはもしかして、この短時間で現状を把握したの?

「そ、そうよねぇ」

「瑠美子さん、驚かせてしまってごめんなさい。これからもこの子のこと、よろしくお願いしますね」

「ええ、もちろんよ!でもホント、なんておめでたいのかしら。もう、オープンでいいってことよね?」

「瑠美子、俺は嫌な予感がするんだが」

「え?気のせいよ」

私も嫌な予感がする。月曜日出勤時点で話が広まっていそうで不安しかない。

「それにしても美音ちゃん、とっても美人さんよ。ピアノも素敵でおばちゃん感動しちゃった」

「あぁ、そうだな。仁も嬉しいだろうな」

「高椿さん、美音ちゃんのこと、大切にしてやってください。あの世から父親が見張ってますよ」

「はい、心得ました」

「では、私たちは失礼するよ」

昭二おじさんは去り際に、私の耳元で囁いた。

「人生は楽しんでなんぼだ」

「えっ⁉︎」

顔を見やると、完全に表情が福笑いの状態だった。
この状況を思いっきり楽しんでいるとしか思えない。

「いゃぁ、めでたいめでたい」

ニヤニヤしながら永峰夫妻は知り合いの席へと移動していった。

母を睨むと、軽く舌を出し、いたずらっ子のような笑みを浮かべていた。
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