彼に抱かれ愛を弾く 〜ベリが丘恋物語〜
「玲ちゃん!」

驚いた昭二おじさんの声に、その場にいた全員が一斉に振り向いた。 

「昭二さん!」

「瑠美子さんも、ご無沙汰しております。今日はご夫婦でいらっしゃったのですね」

「玲子さん、久しぶりね」

「美音が大変お世話になっております」

「美音ちゃんは頑張り屋さんで、何事も一生懸命取り組んでくれるら、私たちの方が助けられているわ」

「ところで玲ちゃん、どうしてここにいるんだい?」

「美音の晴れ舞台を観に。それから、素敵な婚約者に会いに」

「えっ⁉︎」
「えっ⁉︎」
「えっ⁉︎」

昭二おじさん、瑠美子おばさん、そして私、三人一緒に見事にハモった。
おじさんとおばさんは目を丸くしている。無理もない、寝耳に水なのだ。

「はじめまして、美音さんと結婚を前提にお付き合いをさせていただいております高椿俊佑です。どうぞよろしくお願いいたします。本日は、高椿グループ創立100周年パーティーに足を運んでいただき、心より感謝申し上げます」

品良くスマートに挨拶する彼はとてもカッコイイ。

「そ、そうか、そうか、そうなのか…そうか…」

昭二おじさんは、何かを自己完結したかのように何度も頷いている。

「美音ちゃんの婚約者は高椿家のご子息だったのね!私、もしかして今夢の中にいるの?」

「瑠美子、何を言っているんだ?現実に決まっているだろう」

「そ、そうよね。美音ちゃん、言ってくれれば良かったのに」

「すみません、急遽こうなってしま」

痛っ!
二の腕に痛みが走り目をやると、母が思いっきり摘んでいる。

「瑠美子、そうペラペラ話せることじゃないだろう。お相手は高椿家のご子息だぞ」

母に向かって軽くウインクをした。
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