セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
「それより。今日には絶対に、土産を決めないといけないからな。」

 まあ、そうですよね。私の方のお土産も、そろそろ決めなければならない。
 というか、人に無関心そうなこの男が、こんなに土産にこだわる人間だとは思わなかった。


「じゃあ、先に、土産物店を周りましょう。」

 皆も同意したので、私達は、トルコマダム愛用のハイブランド店へ向かうことになった。


※※※※


 杵築と話し合いながら、私は土産を決めていった。

 トルコ土産の代表格といえば、シルク製品。

 女性へのお土産としては、シルクのスカーフ又はハンカチを選んだ。
 スカーフならば、貰って困るものでもないし、贈り物としても手頃な価格だ。


 私の親族や春名さん、父の秘書長さん、杵築母とは面識があるので良いとして、面識のない杵築関係者の物は、とても選びづらい。

 色々な年齢向けに、色々な柄のものを、余裕をもった数で購入しておけば、各々の好み等にあわせて、杵築母が振り分けてくれるだろう。
  
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