セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~

17歳 〜オープンキャンパスに行こう〜


 7月中旬。

 昨年に引き続き、私は、王命大学のオープンキャンパスにやってきた。

 今年は、説明を聞くというより、イベントを楽しみつつ、青石兄に学内を案内してもらうことが目的だ。

 待ち合わせの場所は、時計台前にした。人が多くて混雑していたけれど、青石兄は目立っていたので、すぐに見つけられた。


「そういえば、制服着てるとこ、初めて見るかも。」

「ですねー。制服姿の女子高生と歩いていると、援助交際っぽくないですか。それか、パパ活的な?」

 女子高生と歩けてラッキーですよと、ちょっとした冗談だったのに。


「あり得ない。相手が君なら、僕がお金もらいたいくらい。」

「ひどいっ。」

 青石兄の毒舌は、今日も平常運転です。

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