恋神様に願いを込めて
12/1〜 理想じゃなくたって~美羽~
「ねえ、恋神様って知ってる?」
*
「はあ、今回の新刊も最高だったなあ…」
少女漫画を胸に抱えて机に突っ伏し、思わず独り言を漏らす。
私が少女漫画を好きになったのは、小学二年生の頃だ。
風邪を引いた時にただ家で寝ているのがつまらなくてお母さんに買ってきてもらったのがきっかけで、少女漫画の世界のヒーローにどっぷりハマってしまった。
少女漫画みたいな恋がしたい。そう思ってもう、八年近くが経った。
「うわ、また読んでる。気持ちわりぃー」
…なのに、現実はそううまくいかない。
後ろから覗き込んできた男子をきっと睨みつける。
「うるさい!あっち行ってよ!」
この高校生デビューで茶髪に染めたセンター分け男子の名前は、相澤晃。
馬鹿で身長は百六十センチしかないチビのこいつは、私が小学生の頃からの腐れ縁である幼なじみ。
「大体なー、美羽は理想が高いんだよ」
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「はあ、今回の新刊も最高だったなあ…」
少女漫画を胸に抱えて机に突っ伏し、思わず独り言を漏らす。
私が少女漫画を好きになったのは、小学二年生の頃だ。
風邪を引いた時にただ家で寝ているのがつまらなくてお母さんに買ってきてもらったのがきっかけで、少女漫画の世界のヒーローにどっぷりハマってしまった。
少女漫画みたいな恋がしたい。そう思ってもう、八年近くが経った。
「うわ、また読んでる。気持ちわりぃー」
…なのに、現実はそううまくいかない。
後ろから覗き込んできた男子をきっと睨みつける。
「うるさい!あっち行ってよ!」
この高校生デビューで茶髪に染めたセンター分け男子の名前は、相澤晃。
馬鹿で身長は百六十センチしかないチビのこいつは、私が小学生の頃からの腐れ縁である幼なじみ。
「大体なー、美羽は理想が高いんだよ」
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