恋神様に願いを込めて
「へ?」



放課後、漫画喫茶でも行こうかと悩んでいると、クラスメイトの女子が両手をがっしり掴んで頼んできた。



「…行く!」



合コン。そこに行けば私の理想の人も見つかるかもしれない!…いや、見つけてみせる!





「げっ、なんでおまえ…」



クラスメイトに連れてこられたのは、晃がバイトしているカラオケ店だった。



「あれ、晃くんここでバイトしてたんだ?」


「あはは、制服可愛いー」


「やめろ、写真撮んな!」



晃はたしかに背が小さいからか、黒ワイシャツの大人っぽいお店の制服は似合っていなかった。



「おい、美羽…いつまで笑ってんだよ」


「あはは…っ、ほんとに似合わないねー!だからあんたバイト先に絶対来るなって言ってたんだ…ぷっ」


「だーっ、この野郎!」



晃に頭をぐちゃぐちゃにされていると、「美羽ー」と呼ばれた。
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