恋神様に願いを込めて
「えっと、美羽ちゃん、だよね?レンです、よろしくね」



うわ、何この眩しい王子様スマイル…!


これこそ探し続けていた私の理想の人だった。



「レンくんはどうして合コンなんかに…?来なくてもモテそうなのに」


「あはは、俺全然モテないよ。友達が一人足りないって困ってて、暇だったしせっかくだからと思ってね。あ、もちろん、恋もしたいよ?」


「そうなんだ、レンくんは…」


「失礼しまーす。ご注文の飲み物でーす」



晃が飲み物を持って来たかと思うと、私とレンくんの間に割り込んできてドンッと乱暴に置いた。



「どうぞ、ごゆっくり」



晃はぎろりとレンくんを睨みながら言うと、おぼんを待って出ていった。



「なんか今の店員さん感じ悪かったね」


「え、あははーそ、そうだね…」


「はい、美羽ちゃんウーロン茶だよね?」


「え?あ、うん!ありがとう」



レンくんは当たり前のように、歌うことに夢中になっているみんなの前にさりげなく飲み物を配っていた。


何この気遣い、本当に完璧な人だな…。
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