恋神様に願いを込めて



「美羽、本当に一人で帰れるの?レンくん送ってくれるって言ってるけど…」


「ううん、本当に大丈夫!ちょうど仕事終わりのお父さんが車で近くにいるみたいだから、送ってもらう!だからここまででいいよ!」



みんなに「またねー」と手を振って一人で歩く。


なんかあっという間の放課後だったな…。


レンくんは気遣いができて何もかもが優しくて、本当にいい人だった。隣にいるだけでずっと緊張して、あんまり上手く喋れなかったくらい。



「美羽ちゃん…!」



急に肩を掴まれ、驚いて振り向くとそこにいたのはレンくんだった。



「え、レンくん…?どうしたの?あ、もしかして私忘れ物でもしてた?」


「いや、違くて。…連絡先、交換しない?また美羽ちゃんと遊びたいんだ」


「え?あ、う、うん!わ、私でよければ…」



何これ、こんな展開あり…!?


もしかして恋神様の効果だったりして…?本当に運命の王子様が現れちゃった!?





「へぇーよかったじゃん。美羽の王子様にやっと会えて」



晃がスマホをいじりながらどうでもよさそうな顔で言った。
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