Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~

次は……お、柊馬だ。

【姉ちゃん、一つ老けたな! めでたいな!! あ、マスターから「またお店に来てね」だってー】

柊馬とマスター、それから彼は確か新しいバイトのコ。香港から来たって言ってたっけ?
3人一緒に笑顔で写る写真が添付されている。
くっそぅ……あんたもそのうち25になるのよっ。
次だ、次いこうっ!

「あ、おばあちゃんだ」

珍しいな、写真が添付されている。
お父さんたちの遺影の前に……花束?
え、なにこの豪華な花は。

【まーちゃん、誕生日おめでとう。クロードさんから昌行さんたちにってお花を送っていただいたよ。くれぐれもお礼を言っておいてね】

2枚目の写真、アップになったメッセージカードには、“茉莉花さんを生んでくださってありがとうございます”と手書きで記してある。
クロードさんの直筆だ。

「なんで……そんなこと何も……」

あぁほら、心配なんてしなくていいのよ。
こんなにも大切にしてもらってるもの。

栞に目を落とし、深呼吸する。

吸って、吐いて、吸って、吐いて……そう、大丈夫。
きっと全部上手くいく。

「……さぁ茉莉花、笑って」

そこへ、ガチャッとドアが開いてクロードさんが戻って来た。

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