Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~

あまり気は進まなかったけど、結果的には飲み会やってよかったな。
事件について客観的に話し合うことで、あれだけ荒れ狂ってた気持ちも随分落ち着いてきたみたい。

三人寄ればなんとかの知恵って言うしね、と独り言ちながら、次のプリンへと手を伸ばす。

それにしても……
こんな部屋着のまま、ダラダラ飲み食いしていいのかしら。
罪悪感が半端ない。

まぁ、この5日は思考の沼にはまってろくなもの食べてなかったからな。プラスマイナスゼロ。食欲があるだけマシって思おう。

もう可愛く見せたい相手はいないわけだしさ。


『刑事さんは? あれからまた来たの?』

知依ちゃんの質問で、私はプリンから顔を上げて首を振る。

「ううん、何も音沙汰ナシ。だから怖いの。もしクロードさんが各務蔵人だって警察が突き止めたら、犯人だってカン違いされないかな」

『でも、ご主人が富田を殺す理由なんてないでしょう?』

「うん……」

『連絡を取ってたってだけで逮捕なんかできないよ、大丈夫』

『そもそもさ、おじさんの事件と富田の事件、実は全然関係なんてないんじゃないの? 行きずりの強盗とか喧嘩とか、新宿なんてしょっちゅう起こってるし。その中の一つかもしれないじゃん』

自前のピザをもぐもぐしつつ断定口調で言った香ちゃんは、『んで、茉莉花は』と続けた。

『これからどうするつもりなの?』

……これから、かぁ。

実は昨日あたりから、ちょっと考えてたことがあるんだよね。
気分も持ち直してきたし、今なら行けそうかも。

「あのね、茨城に行ってみようかなと思ってる」

『『茨城?』』

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