三十路アイドルはじめます
確かにハグ会など際どいことはしていると思っていたが、未成年に性接待を強制するなどあってはならないことだ。
「『フルーティーズ』良いグループになったね。苺や桃香やりんごもイキイキしてた。あの子たちは、まだ枕とか強制されてない? 私だけ逃げちゃったみたいで心配だよ」
音楽番組に出ていた時に、蜜柑さんが彼女たちを心配そうに見つめていたのを思い出した。
「そんなことがあったなんて知らなかった。3人娘は私が守るから大丈夫よ。蜜柑さんこそ大丈夫?」
15歳の蜜柑さんが1人で悩んでいたことを考えると胸が苦しくなった。
「私は大丈夫。でも、こないだのルナさんや『フルーティーズ』を見て中途半端はダメだってやっぱり思ったよ。パフォーマンス本当に感動したもん。楽に売れたくてカイトで話題作りしようとして本当に反省」
泣きながら笑っている蜜柑さんを見て、彼女の心を弄んだ人間たちに怒りが湧いた。
(たった15歳の子供が色んなことに悩んで、頑張ろうと誓った仲間とどんな気持ちで離れたのか⋯⋯)
「きらり、『フルーティーズ』を守りたいなら独立した方が良い。俺も手伝うから」
黙って私たちの話を聞いていた林太郎の言葉に私は戸惑った。
「独立しなくても、友永社長に性接待強要をやめるようにように言えばいいだけなんじゃないの?」
そもそも独立というのは、そんな簡単にできるものなのだろうか。
(会社を設立するってことだよね? 林太郎は簡単に言うけど⋯⋯)
「きらり、人を変えるっていうのは難しいことだよ。腐った人間とは距離をとった方が良い」
私は1ヶ月前にバシルーラと契約したばかりだが、契約書はどんなことが書いてあったか覚えていない。
3人娘の契約もどうなっているのか分からない。
違約金とかが発生するのであれば、決して裕福ではない3人娘や私が事務所から逃げるのは難しい。
「待って、まずは友永社長と話してみるから」
「梨子さん。無駄だと思いますよ。腐った人間ってのは本当に腐り切ってるんです。私は自分を傷つけた倉橋カイトに復讐します。機材トラブルがあったじゃないですか。あれもカイトがやったって言いましたよ。彼、本当に腐ってるでしょ」
蜜柑さんから告げられた事実に私は動揺した。
倉橋カイトが『フルーティーズ』に嫌がらせをしたとした理由として考えられるのは、私が彼の喫煙を注意したからだ。
私は友永社長に行いを忠告することで、何かよからぬことが起こるのではないかと怖くなった。
しかし、大人の私が動かなければ3人娘を守ることはできない。
私は友永社長と戦う決意をした。
「『フルーティーズ』良いグループになったね。苺や桃香やりんごもイキイキしてた。あの子たちは、まだ枕とか強制されてない? 私だけ逃げちゃったみたいで心配だよ」
音楽番組に出ていた時に、蜜柑さんが彼女たちを心配そうに見つめていたのを思い出した。
「そんなことがあったなんて知らなかった。3人娘は私が守るから大丈夫よ。蜜柑さんこそ大丈夫?」
15歳の蜜柑さんが1人で悩んでいたことを考えると胸が苦しくなった。
「私は大丈夫。でも、こないだのルナさんや『フルーティーズ』を見て中途半端はダメだってやっぱり思ったよ。パフォーマンス本当に感動したもん。楽に売れたくてカイトで話題作りしようとして本当に反省」
泣きながら笑っている蜜柑さんを見て、彼女の心を弄んだ人間たちに怒りが湧いた。
(たった15歳の子供が色んなことに悩んで、頑張ろうと誓った仲間とどんな気持ちで離れたのか⋯⋯)
「きらり、『フルーティーズ』を守りたいなら独立した方が良い。俺も手伝うから」
黙って私たちの話を聞いていた林太郎の言葉に私は戸惑った。
「独立しなくても、友永社長に性接待強要をやめるようにように言えばいいだけなんじゃないの?」
そもそも独立というのは、そんな簡単にできるものなのだろうか。
(会社を設立するってことだよね? 林太郎は簡単に言うけど⋯⋯)
「きらり、人を変えるっていうのは難しいことだよ。腐った人間とは距離をとった方が良い」
私は1ヶ月前にバシルーラと契約したばかりだが、契約書はどんなことが書いてあったか覚えていない。
3人娘の契約もどうなっているのか分からない。
違約金とかが発生するのであれば、決して裕福ではない3人娘や私が事務所から逃げるのは難しい。
「待って、まずは友永社長と話してみるから」
「梨子さん。無駄だと思いますよ。腐った人間ってのは本当に腐り切ってるんです。私は自分を傷つけた倉橋カイトに復讐します。機材トラブルがあったじゃないですか。あれもカイトがやったって言いましたよ。彼、本当に腐ってるでしょ」
蜜柑さんから告げられた事実に私は動揺した。
倉橋カイトが『フルーティーズ』に嫌がらせをしたとした理由として考えられるのは、私が彼の喫煙を注意したからだ。
私は友永社長に行いを忠告することで、何かよからぬことが起こるのではないかと怖くなった。
しかし、大人の私が動かなければ3人娘を守ることはできない。
私は友永社長と戦う決意をした。