三十路アイドルはじめます
30.落ち着いてこれでも飲んで、ゆっくり仲良くなろう。
「こんばんは。『フルーティーズ』の梨田きらりです」
指定されたカラオケの部屋はVIPルームというものだろうか。
とても広い部屋で、そこには6人のスーツ姿の男性がいた。
(ここで歌うのか⋯⋯緊張するなあ)」
「うわー上玉だねー! 実物はびっくりするくらい綺麗じゃない。さあ、こっちにおいで」
男性たちは自己紹介もせず、私を自分たちの間に座らせようとしてくる。
(名刺も渡す気がないなんて、変だ⋯⋯)
「あの⋯⋯歌ったら帰ります⋯⋯」
私は嫌な予感がして、少し後ずさりした。
すると1番若手っぽい男性が私の腕を乱暴に引いて、男たちの間に座らせてきた。
「歌なんていらないの。君の取り柄はそのルックスでしょ」
私の太ももに手を置いて撫でながら、話してくる男性の手をそっと振り払う。
「そういうのは、専門のお店でやって頂けますか? 特にお仕事のお話がないようでしたら帰らせて頂きます」
ラララ製薬にいた時も、軽いボディータッチやセクハラ発言は受けたことがある。
しかし、そのどれもここまで露骨ではなかった。
「友永社長から、君のことを好きにして良いって聞いたからワザワザ集まったんだよ。話が違うだろ!」
突然、恫喝されて驚いてしまった。
壁を見るとこの部屋は音楽室のように防音設備がしっかりしているようだ。
(何? 好きにしていいって、何の権利があって友永社長はそんなことを言ってるの?)
「そういうことなら、失礼します。そんな話は聞いていないので。それから、あなたたちがやろうとしていることは犯罪ですよ」
私はそう言い残すと扉の前に向かった。
すると、扉の前に若手っぽい男性がいて前を塞がれてしまう。
「処女ってわけでもないのに、勿体ぶってんじゃねーよ」
男の発したその言葉に私は彼らが何の目的で集まってるのか分かってしまった。
再び私は手首を掴まれて、男たちの間に連れてかれる。
「まあ、落ち着いてこれでも飲んで、ゆっくり仲良くなろう」
両側の男に押さえ付けられ、何かを飲まされそうになる。
(何これ⋯⋯こんな怪しい飲み物を飲めるわけないじゃない)
バーン!
その時、カラオケルームの扉が開いて皆がそちらを向いた。
「ゆ、雄也さん? 何でここに!」
指定されたカラオケの部屋はVIPルームというものだろうか。
とても広い部屋で、そこには6人のスーツ姿の男性がいた。
(ここで歌うのか⋯⋯緊張するなあ)」
「うわー上玉だねー! 実物はびっくりするくらい綺麗じゃない。さあ、こっちにおいで」
男性たちは自己紹介もせず、私を自分たちの間に座らせようとしてくる。
(名刺も渡す気がないなんて、変だ⋯⋯)
「あの⋯⋯歌ったら帰ります⋯⋯」
私は嫌な予感がして、少し後ずさりした。
すると1番若手っぽい男性が私の腕を乱暴に引いて、男たちの間に座らせてきた。
「歌なんていらないの。君の取り柄はそのルックスでしょ」
私の太ももに手を置いて撫でながら、話してくる男性の手をそっと振り払う。
「そういうのは、専門のお店でやって頂けますか? 特にお仕事のお話がないようでしたら帰らせて頂きます」
ラララ製薬にいた時も、軽いボディータッチやセクハラ発言は受けたことがある。
しかし、そのどれもここまで露骨ではなかった。
「友永社長から、君のことを好きにして良いって聞いたからワザワザ集まったんだよ。話が違うだろ!」
突然、恫喝されて驚いてしまった。
壁を見るとこの部屋は音楽室のように防音設備がしっかりしているようだ。
(何? 好きにしていいって、何の権利があって友永社長はそんなことを言ってるの?)
「そういうことなら、失礼します。そんな話は聞いていないので。それから、あなたたちがやろうとしていることは犯罪ですよ」
私はそう言い残すと扉の前に向かった。
すると、扉の前に若手っぽい男性がいて前を塞がれてしまう。
「処女ってわけでもないのに、勿体ぶってんじゃねーよ」
男の発したその言葉に私は彼らが何の目的で集まってるのか分かってしまった。
再び私は手首を掴まれて、男たちの間に連れてかれる。
「まあ、落ち着いてこれでも飲んで、ゆっくり仲良くなろう」
両側の男に押さえ付けられ、何かを飲まされそうになる。
(何これ⋯⋯こんな怪しい飲み物を飲めるわけないじゃない)
バーン!
その時、カラオケルームの扉が開いて皆がそちらを向いた。
「ゆ、雄也さん? 何でここに!」