迷宮階段
 どんなことがキッカケになって夢を持つかわからない。麻衣たちは常にそのアンテナをはっているように思えた。
「すごいねみんな」

「どうしたの真美。そんなしみじみした顔してさ」
「そうだよ、なんか今日変だよ?」

 みんなの中で昨日までの私は、きっと明るくて前向きで、麻衣たちと釣り合う存在だったんだろう。
 不思議そうな視線を向けられてしまった。

「ううん、なんでもない。私も夢とか持てたらいいなぁと思っただけ」
 できるだけ明るく、違和感のないようにしゃべる。

 麻衣たちと深く関わることで、話し方にも特徴があることがわかってきたから、それを真似る。
「よ~し! じゃあ今日はみんなで遊びに行こうか!」
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