月ノ蝶、赤縄を結ぶ

 こんな闇よりも純粋な黒い髪をなびかせながら、静かに微笑んでいる。

 大丈夫。

 私には紅くんがいるから。



「安心して。助けはくるからだいじょうぶだよ」

「大丈夫ってどこが?これからどうなるかも分からないのに!!」



 女の子がヒステリックに泣き叫んだ。

 そっか。この子達は紅くんのことを知らないからそう思うのも無理はない。



「助けはくるよ。わたしには紅くんっていう強い味方がいるから」

「は?何それ!どうせ友達かなにかでしょ?子供が助けに来れるわけないじゃん!」

「紅くん15才だよ」

「えっ・・・・・・は??」



 暗さに目がだんだん慣れてきて、今では2人の輪郭までちゃんと見えるようになった。

 今は女の子の方が顎をあんぐりと開けている。



「え、お兄ちゃんとか?」

「ううん。わたしのすきな人」

「犯罪臭するんだけど・・・??」

「え?」

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