月ノ蝶、赤縄を結ぶ
これだけが茜と俺の繋がりを現している。
「茜・・・」
早く迎えに行くから待っててね。
愛してるよ。
1月17日、茜の16歳の誕生日。
事前に特定した茜の高校に車を停め、校門に立った。
ここで茜を待ってたら俺に気づいて来てくれるよね。
いざ茜に会うとなったら少し緊張してきた。
最後に会った時、茜は幼かった。
もしかしたら俺のことなんかとっくに忘れて彼氏のひとりやふたり出来ているかもしれない。
小さい頃から茜は可愛かったし、きっと今は美人に育っただろう。
そんな茜を男が放っておくはずがない。
なんで今更来たんだって迷惑がられたらどうしよう。
そうなったら俺は死んだも同然だ。
茜を陰ながら守り続けることで生き長らえることになる。
生き地獄だ。