トツキトオカの切愛夫婦事情 ―Special episode―
「綺麗。もうクリスマスですね」
「そうだな」
ふたりで白い息を立ち上らせ、オーナメントがおしゃれなツリーを見上げる。慧さんの表情もそこはかとなく優しくて、ほんの少し心が温まる気がした。
しばし眺めていた時、「一絵」と呼ばれた。振り向くと、彼はいつの間にか小包を手にしていて、それを私に差し出してくる。
「ほんの気持ちだが、受け取ってくれ」
エメラルドグリーンのリボンで飾られた、細長い白い箱。これは彼からのプレゼントだと、すぐには信じられなかった。
妻サービスには無縁だと思っていた彼が、まさか用意してくれていたの?
「これを、私に……? ありがとうございます!」
表情がみるみる明るくなり、喜びを隠せない笑顔で感謝を伝えた。こんなに心が弾むのは久しぶりだ。
慧さんは一瞬目を見張った後、やや気恥ずかしそうに、ほんのわずかに頬を赤らめる。彼のこんな顔を見るのも初めてで、おまけのプレゼントをもらったみたい。
「大人になって女性になにかをあげるのは初めてかもしれない。なにがいいのかまったくわからなくて、瀬在を頼りにしてしまったよ」
彼が苦笑して言うと同時に、プレゼントを見下ろした私ははたと気づいた。
「そうだな」
ふたりで白い息を立ち上らせ、オーナメントがおしゃれなツリーを見上げる。慧さんの表情もそこはかとなく優しくて、ほんの少し心が温まる気がした。
しばし眺めていた時、「一絵」と呼ばれた。振り向くと、彼はいつの間にか小包を手にしていて、それを私に差し出してくる。
「ほんの気持ちだが、受け取ってくれ」
エメラルドグリーンのリボンで飾られた、細長い白い箱。これは彼からのプレゼントだと、すぐには信じられなかった。
妻サービスには無縁だと思っていた彼が、まさか用意してくれていたの?
「これを、私に……? ありがとうございます!」
表情がみるみる明るくなり、喜びを隠せない笑顔で感謝を伝えた。こんなに心が弾むのは久しぶりだ。
慧さんは一瞬目を見張った後、やや気恥ずかしそうに、ほんのわずかに頬を赤らめる。彼のこんな顔を見るのも初めてで、おまけのプレゼントをもらったみたい。
「大人になって女性になにかをあげるのは初めてかもしれない。なにがいいのかまったくわからなくて、瀬在を頼りにしてしまったよ」
彼が苦笑して言うと同時に、プレゼントを見下ろした私ははたと気づいた。