籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
だから、裕一くんが見張りの2人きりの外出だってそれほど苦ではなかった。
なのに、今日は玲が担当だなんて…。
玲は副総長で忙しそうで、他の暴走族への潜入もあってか、あまり寮内で見かけることはない。
見かけたとしても、遠くからわたしを見つめている程度。
声をかけることなく、人のことをジロジロと見て…。
なにかあるなら言ってほしい。
それに、なぜかわたしを逃がそうとした不審な点も忘れたわけではないから、玲のことは信用していない。
「準備ができたなら、さっさと行くぞ」
それだけ言うと、玲は背中を向けた。
裕一くんと違って無愛想で、にこりとも笑わない。
なにを考えているのかわからないから、…ある意味こわい。
* * *
お兄ちゃんが入院する病院へ向かうため、玲のバイクの後ろに乗る。
なのに、今日は玲が担当だなんて…。
玲は副総長で忙しそうで、他の暴走族への潜入もあってか、あまり寮内で見かけることはない。
見かけたとしても、遠くからわたしを見つめている程度。
声をかけることなく、人のことをジロジロと見て…。
なにかあるなら言ってほしい。
それに、なぜかわたしを逃がそうとした不審な点も忘れたわけではないから、玲のことは信用していない。
「準備ができたなら、さっさと行くぞ」
それだけ言うと、玲は背中を向けた。
裕一くんと違って無愛想で、にこりとも笑わない。
なにを考えているのかわからないから、…ある意味こわい。
* * *
お兄ちゃんが入院する病院へ向かうため、玲のバイクの後ろに乗る。