籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
「妃候補は特別ですから。それに、一発で済んだのは玲サンだったからっすよ。他のやつらだったら、きっと半殺しにされてたっておかしくないレベルです」


やっぱり…こんなの狂ってる。

なんでもかんでも力でねじ伏せようとするなんて。


「でも、よかったです〜」

「…よかった?」

「だって、今日ボクがいつも通りについて行ってたら、今頃ボクが十座サンに半殺しにされてましたから」


それを聞いて、わたしは気づいた。


…そうか。

おかしいのは十座だけじゃない。


理不尽に殴られた仲間のことを気遣うこともできず、自分のことしか考えられない…このRULERの組織そのものがおかしいんだ。


「…それにしても、妬いちゃうなぁ」


裕一くんのそんなつぶやく声が聞えてふと顔を向けると、すぐそばに裕一くんが迫っていた。
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