籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
「未練というか…。わたしはこんなところ、きたくてきたわけじゃないので…」


今だって、逃げ出せるものならそうしたいと思っている。


「そういえば、あなたも姫狩りでここにきたんだったわね」


その茉莉花さんの言葉を聞いて、わたしははっとして顔を上げる。


「“あなたも”ってことは、…茉莉花さんもですか?」

「ええ、そうよ。あたしが姫狩りにあって連れてこられたのは、ちょうど1年くらい前だったかしら?」


まさか、茉莉花さんも同じ姫狩りでここへきたとは知らなかった。

茉莉花さんのほうが1歳上らしいけど、勝手に親近感がわき始める。


「茉莉花さんなら、わたしの気持ち…わかってくださいますか?わたし、ここにいることが本当に苦痛で――」

「ごめんなさいね、それはわからないわ」

「えっ…?」
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