籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
「ああ、あなたは…」

「越前美鳥と申します…。その…、茉莉花さんとお話がしたくて」

「…あたしと話?十座のところに戻らなくちゃいけないから、少しだけならいいけど」

「ありがとうございます…!」


わたしは茉莉花さんの部屋へ招き入れられ、ソファに座らせてもらう。

間取りは、わたしの部屋と同じだった。


茉莉花さんの香水の匂いが染みついているのだろうか。

部屋の中は甘い香りが漂っていた。


「で、話って?」


茉莉花さんはわたしと向かい合わせになるようにソファに座ると、細くて長い脚を組んだ。


「あの、わたし…まだここでの生活に慣れなくて。慣れちゃだめだと思ってる自分もいて…」

「え、まだ慣れてないの?しかも、慣れちゃだめだと思ってるって、なにそれ。もしかして、まだ前いたところに未練があるの?」
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