籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
たまたま起きていたらからよかったものの、一体だれから…。

と思ったけれど、すぐにはっとして慌ててスマホを取り上げた。


着信画面に表示された文字は、お兄ちゃんが入院する病院名。


こんな夜中に電話ということは、…まさかっ。


わたしは急いで着信に出た。


〈もしもし、…越前です!〉

〈夜分遅くに申し訳ございません…!越前美鳥さんでいらっしゃいますか!?〉

〈はい、そうです…!兄になにかあったんですか…!?〉


わたしはごくりとつばを呑む。


〈お兄さん…、少し前から血圧が下がり続けています。処置はしておりますが、今夜が山場かもしれません…。今からお越しいただくことは可能性でしょうか…!?〉


緊迫した看護師さんからの電話に、お兄ちゃんに命の危機が迫っていることが伝わってくる。
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