籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
まるでベッドにいるお兄ちゃんを照らすように、窓からは白くて柔らかい陽の光が差し込んでいた。


「…あれ。わたし……」


一瞬状況が把握できなかったけど、ベッドには静かにお兄ちゃんが眠っている。


「なんだ…、…夢か」


久しぶりにお兄ちゃんの声が聞けて、元気な姿が見れたと思ったのに。


するとそのとき、わたしの肩からなにかが床に滑り落ちる。

拾い上げると、それは見知らぬブランケットだった。


コンコンッ


病室のドアがノックされ、看護師さんが顔を出す。


「あら、妹さん。目を覚まされたんですね」

「…えっと、わたしは……」

「お兄さんの血圧が安定したので、それをお伝えに行ったらいっしょに眠られてて。お疲れだろうと思い、お声がけせずにブランケットだけかけさせてもらいました」
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