籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
こんな簡単なことでさえもひと苦労する玲を、1人になんてしていられない。


「玲は休んでて。あとのことは、わたしがするから」

「…あとのこと?」

「食事の用意や必要なものの準備とか、なんでもする…!」

「そんなのこと…、お前に頼る必要もない」

「なに言ってるの、ペットボトルも1人で開けられないっていうのに…!それに、玲がこうなったのは…わたしのせいだから」

「べつに俺は、お前のせいだなんて思ってな――」

「世話役は、妃候補のそばにいないといけないんでしょ…?だったら、わたしが玲のそばにいる」


わたしがそう言うと、一瞬玲は黙り込んだ。


「お願い…。わたしが玲のためにしたいの」


本当は病院に連れていって、お医者さんに診てもらいたいけど…。

それがだめというのなら、せめて――。
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