籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
バタンと音を立てて閉められるドア。


わたしはその前で、呆然としてたたずんでいた。


『お前は十座さまの妃候補、俺はその世話役。俺たちの関係は、それ以外なにもない』


…そんなこと、言われなくてもわかってる。

それなら、昨日のあれは…なんだったの?


『…もっと、もっと…美鳥がほしい』


わたしは玲との間に、これまでには存在しなかった関係が芽生え始めたと思ったのに…。

あれは、…夢?


――教えてよ、玲。

わたしは、あなたの気持ちが知りたい。
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