籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
しかし、雰囲気が違う。


さすが『セレブ校』と言われるだけあって、お金持ちの生徒が多数在籍している。


聞えてくる会話も、出席した豪華なパーティーでの出来事や海外でのバカンスの自慢話ばかり。

庶民のわたしからしたらそのどれもが非現実的な内容で、輪に入れる雰囲気ではない。


そもそも、わたしはクラスメイトたちから――。

いや、全校生徒たちから線引きされているようだ。


それは、突然転校してきた一般庶民だからというわけではない。


「もしかして、そのチョーカー…!十座さまの!?」


出会う人、出会う人がわたしの首につけられたチョーカーに目をやる。


「すごい!あなた、妃候補のNo.2なのね!」

「うらやましい〜♪ねぇ、どうやって妃候補に選ばれたの?」

「わたくしも選ばれて、十座さまのおそばにいた〜い!」
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