籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
わたしが妃候補とわかったとたん、一目置かれるように。


不動月学園に多額の寄付をし、この学園のトップに君臨する十座は全校生徒の憧れの的のようで、男の子は十座の強さに、女の子は十座のルックスに惚れ惚れしているといった様子。


また、妃候補はまれに不動月学園の生徒の中から選ばれることもあるため、女の子たちはチョーカーをつけるわたしをうらやましそうに遠目から眺める。


わたしにとっては、こんなもの…ただの首輪。

そのせいでこんなに注目を浴び、まるで動物園で飼育されている動物にでもなったかのような気分だ。


それでも、息の詰まる覇者の館にいるよりは学校にいるほうがまだいい。



授業が終わり、寮へと戻る。

このときばかりは、いつも足取りが重くなる。


「「おかえりなさいませ!」」


寮ではRULERのメンバーたちがお出迎え。
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