悠久の絃 2
ふわりとした天然パーマ。綺麗な二重に真っ直ぐ伸びる鼻筋。優しげに微笑むその顔は、まさしく、



「悠…!」


「いと、おかえり。どうしたの?泣いたの?」


「あ、、あぁ、、悠、!ぅ、うぅ、ひくっ、、ぐすっ、」


「あらあら。絃ちゃん、悠の隣行こう?」



律先生に手を引かれ、久しぶりに悠の隣に座る。

こんな泣き顔を悠には見せたくないのに、涙は止まらなくて。もう色々ぐちゃぐちゃで、隠すように悠のお腹に顔を沈めた。


「いと、今日進と遊びに行ってたんでしょう?どうして泣いて帰ってくるの……
とりあえず、泣き止まないと過呼吸になっちゃうから一回落ち着いて。僕と深呼吸しよう」



吸って、吐いて……吸って、吐いて……


悠が背中をさすってくれるのに合わせて、呼吸もだんだんと落ち着いていく。すっかり涙は止まり、意識をすれば呼吸もちゃんとできる。

悠の手が伸びて、私の手を握り、「何があったの?」と優しくほほ笑みかける。






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