悠久の絃 2
「おかえり。検査結果出てるから悠先生と一緒に見よう。」



と、診察室には夜星先生と悠とわたし。

今日の悠はお医者さんじゃなかったのに夜星先生といるとお医者さんに見える。

私服なのに……


「絃ちゃん、ちゃんと見て。」


そんな乱数表見ても何もわかんないもん……

でも、赤、少ない…


「心電図は異常なかったから、心臓は心配しなくて大丈夫。また脈が飛ぶ感覚したらすぐ教えて。

で、採血の結果がこっち。さっきお腹触ったけど、周期的に今生理前だよね?予定通りに生理が来たら心配しなくて大丈夫。もし来なかったら来月エコー撮って治療するか決めよう。
あとはまぁ、大丈夫そうだからね。様子見で」


「え、?!じゃあ、今日は帰っていいんですか?!」


「うん。また来月ね」

「……夜星先生、ここ、」


私はもう家に帰れるつもりでわっくわくなのに、悠は採血の結果で気になるところがあるみたい。

「あぁ、若干高いよね。俺も少し気になったんだけど今のところの症状だと確定じゃないからさ。」

「あぁ、あれですか。たしかに一回ですもんね」

「また来月採血して注意しようと思ってる。熱は無いんだよね?」

「はい。」

「それならまだ様子見。ぼーっとしてそうなら声かけて、悠先生の判断で薬剤入れていいよ。処方箋出しておくからね」

「わかりました。ありがとうございます」


なに、なに??



「ゆう、?」


「ん?大丈夫だって。おうち帰れるよ」


「良かった……」



結局何の話かはわからないし知りたくないし。
処方箋を院内薬局で受け取って、お昼ご飯は外で食べてマンションに帰ってきた。

お薬はケースにしまってリュックに入れておく。

しばらくは学校行かないからなぁ…
やっぱり部屋に置いておこう。





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