悠久の絃 2
〜悠side〜

「いと〜、ごはん、だ、、よ」


寝てたか。

全然部屋から出てこないから心配で見に来たら、いとは制服のままタオルケットも被らずベッドで小さく丸まっていた。

やっぱりお腹の話はまだ早かったかなぁ…でも、あの結果と自覚症状じゃ割とすぐなはずなんだけど……


アメリカに行くまでに、とは言っても早く始めといて損はないよな。

また泣かれるかな?




「、んぅ、、ゆう?」


「そうだよ。ご飯できたけど、まだいらない?」


「……たべる」


「うん、じゃあ着替えてからおいで」



先にリビングに戻って夕飯の盛りつけをする。
兄ちゃん、午前はオペだったからミーティング終わってないのかな。いや、術後管理が安定してないとかかな。


どれくらい残しておこうか迷っているうちに、いとが部屋から出てきた。


食事量は、かなり多いな。
ご飯もおかずも完食。おかわりはしなかったけど、普段に比べたらよく食べていた。

「ごちそうさまでした」


「よく食べたね、偉いよ。」


「うん。お風呂入って、今日は寝るね」


「わかった。」








兄ちゃんの帰宅は絃が寝てから一時間ほど経った頃だった。

「ただいま」


「おかえり。遅かったね」


「今日めっっちゃ大変だった。予定してたオペと救急から呼び出されてもう一件。」


「あぁ……それは大変だ。ご飯温めておくから先シャワー浴びてきてよ」



兄ちゃんの鞄を受け取って、キッチンで料理を温め直した。

オペ二件かぁ……僕も現場に戻ったら同じようにできるかな。
もし手が鈍ってしまっているのなら、どれくらいで元に戻るかな。

仕事復帰のために毎日勉強はしているけど、現場でしか学べないことが多くある。患児の容態はすぐに変わって、いかに早く気づけるかで対応も変わる。けどこれも、経験しないとできるようにならない。
早く戻りたい。




「はぁ…」


「ため息なんてついちゃって、どうした?」


「兄ちゃん、早いね」


「いや、20分入ってたぞ?俺」


「あぁ、そう。ご飯温まってるから、食べて」


「うん、いただきます」



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