《短編集》愛しの旦那様は今日も私を溺愛する
 土曜日の朝、

「ママ! これ!」

 朝、起きてくるなり神楽が何かを後ろに隠しながら私の元へやって来ると、「これ」と言って手渡してきたのはラッピングされた可愛い袋。

「これ、どうしたの?」
「パパと二人で買ったんだよ! ホワイトデーのプレゼント!」

 どうしたのかと問い掛けると、どうやら百瀬くんと二人で選んで買ってきてくれたものらしい。

「そっかぁ、ホワイトデーのプレゼントかぁ〜! 嬉しいなぁ。開けてもいい?」
「うん!」

 ニコニコと笑顔を向けてくる神楽とキッチンで朝食の支度をしてくれている百瀬くんに見守られながら、私はリボンを解いて袋を開けてみた。

 すると、中には小さな箱と箱より少し大きめのクマのぬいぐるみが入っていた。

「ハコもあけてみて!」

 神楽に促されて箱を開けてみると、中には誕生石が付いたハートのネックレスが入っていた。

「可愛い! こんなに素敵な物を貰えて嬉しいなぁ、ありがとう、神楽、百瀬くん」
「うん!」
「どういたしまして。それね、神楽がママに似合うからって選んだんだよ」
「そうなんだ? 神楽、ありがとね」
「うん! ねぇねぇ、つけてみて!」
「そうだね、それじゃあ早速付けさせてもらうね」

 ラッピング袋やクマのぬいぐるみをテーブルの上に置いた私がネックレスを付けると、

「うわー! やっぱりママににあうね! かわいい!」

 神楽は『似合う』『可愛い』と終始褒めてくれて、こういうところも百瀬くんの血を継いでるなぁと微笑ましく思って思わず笑みが溢れた。


 その後、三人で朝食を食べてから家事を済ませた私たち。

 約束していたお義母さんの買い物に付き合う為に百瀬くんの実家までやって来ると、買い物に行かない百瀬くんと神楽は別で出掛ける為に先に出発していった。

 そんな二人を見送ってから少しして、私はお義母さんの運転する車で隣の町にあるショッピングモールへと向かうのだった。
< 30 / 42 >

この作品をシェア

pagetop