背伸びして、君とありったけのキスがしたい。
綺良ちゃんに連れられてやってきた、はじめての夜の街。
いつも遊んでいる駅前のショッピングモールやデパートとは違って、妖艶なネオンが煌びやかに色を放っていた。
「で、でも私たちってまだ17歳だよ?こういうところって18歳以上じゃないとダメなんじゃ……」
「ここはね、あたしの友達の知り合いが経営してるところだから年齢パスしてもらえるの」
「そ、そうなんだ。いつも思うんだけど、綺良ちゃんの人脈って本当すごいね」
「つらいときは家の中で泣くよりも、外に出て新しい出会いとか刺激を得たほうが絶対いいから!」
「……うん。ありがと」
「とにかくあたしの親友を傷つけた橋本だけは絶対に許さない。どんな手を使ってでもギャフンと言わせてやる」
綺良ちゃんの特徴ともいえる真っすぐに伸びた長い黒髪を揺らしながら、グッと握りこぶしを作って顔を顰めた。
モデルの撮影や動画の編集で、綺良ちゃんは毎日多忙を極めているというのに、こうして私のために時間を作って一緒にいてくれることが何よりも嬉しくて、元気づけられる。